『NARUTO-ナルト-』シリーズレビュー

「オレは火影になる!オレを信じてくれ!」

この言葉に心当たりはありませんか?心当たりがあると言うのなら、それは、世界で最も成功したアニメシリーズのひとつ『NARUTO-ナルト-』の伝説的キャラクターで、ちょっとおバカな忍者のナルトが、こうした言葉をいつも口にしているからです。

『NARUTO-ナルト-』は、岸本斉史による漫画を原作とし、2002年にアニメ化されたシリーズです。木の葉隠れの里に住む10代の忍者、うずまきナルトの成長を追う物語です。ナルトは、仲間の尊敬と称賛を集めること、そして里で最強の忍者である火影になることを目指しています。

マッドマンエンターテインメントの素晴らしい皆さんのおかげで、『NARUTO-ナルト-』の第1シリーズ全220話を見直すという機会に恵まれましたが、なんと素晴らしい旅だったことでしょう。

『NARUTO-ナルト-』に最初に触れたとき、この旅は慎重かつ着実に進んでいかなければと思いました。アニメの第1話で主人公のうずまきナルトが登場しますが、このときのナルトはまだ修業中であり、生意気で、反抗的で、周囲の関心を自分に向けさせようとイタズラを重ねているような若者です。ナルトだけでなく、他の主人公も、登場したときにはあまり好印象を抱けるようなキャラクターではありませんでした。桜色の髪をしたくノ一である春野サクラは恋に夢中の十代の少女といった感じですし、ナルトの宿敵であり、修業中の忍者としては学校で成績トップのうちはサスケは、不良少年のような態度で、ちょっとウザすぎだと思いました…。この3人には最初ちょっと戸惑ってしまいましたが、何話か見進めているうちに、このアニメは単に馬鹿な若者が幼稚な振る舞いをする話ではなく、もっと深いものがあることに気づいたのです。

やんちゃというイメージが強いナルトですが、その物語は、世間から忌み嫌われている孤児の話というだけにとどまりません。ナルトの両親は、里が大変強い尾獣である九尾の妖狐と戦ったときに亡くなりました。その獣を退治するために一種の封印呪文が行われ、獣に耐えることのできる唯一の人間(この場合は赤ん坊)であるナルト自身の体内に、九尾が封印されたのです。

エピソードが進むごとに、ナルト、サクラ、サスケの3人が、修行中の身から、外敵から里を守ることのできる一人前の忍者へと成長していく過程が描かれている点を評価するようになりました。この3人はチームを組むことになります。チームの教官兼隊長は、「コピー忍者」として知られるはたけカカシ。このように、シリーズ前半は、3人がお互いを知り、敵対するのではなく協力することを学んでいく過程における、苦悩や試練を中心に話が進められます。

私は普段はちょっとダークで残酷なスリラーものが好きなのですが、ストーリーの素晴らしいアニメや、声を出して笑えるアニメも大好きです。そしてその好例が、『NARUTO-ナルト-』なんです。ナルトは私がこれまで最初から最後まで見通した唯一のアニメシリーズであり、アニメ好きの方にはぜひ見ていただきたいと思います。『ドラゴンボールZ』や『ワンピース』と同じように、事実上、カルト的な人気を誇る名作だと思います。